お義母さんと膵がん 24

お義母さんと膵がん

おかあさんは毎年、庭の桜の木から、さくらんぼを収穫してジャムを作っていた。(一粒一粒が、すごく小さくて、かわいらしいやつ…。なんていう品種なんだろう?)

その木は、夫の小学校入学の記念に、植えたものだった。

小さなさくらんぼの実を一粒一粒、大量に獲って、洗って、煮る。
おかあさんの手間暇がかかった、ずっしりと重みのある貴重なジャム。

それなのに、もらう度に私は「すごくありがたいけど、いつもジャム食べ切れないんだよなあ、どうしよう。」そんな風に思っていた。

夫なんて私より食べない。私はもらってしばらくは「せっかくいただいたものだ!」と食べる。夫は、私が「おかあさんが、つくってくれたんだよ」と言って勧めて、毎年ひとさじだけ食べ、終わる。

小分けに冷凍したり、カレーの隠し味に入れたりしても、毎年食べきれず、後ろめたい気持ちでいるところへ、次のジャムがやってくる…そんな感じだった。

それなのに、おかあさんには「ジャム、すごくおいしいです」「天然・無添加で嬉しい」なんて言っていた。嘘ではない、ほんとうにそう思う。けど毎年食べきれない。冷凍せずにいると、添加物が入っていないからなのか、すぐにカビが生えてしまう。

「おいしいけど、食べきれなくてもったいないから、少なくもらってもいいですか」って言えたら良かった。毎年お友達にも配っていたから、そちらにまわせたかもしれない。

今も冷凍庫には、おかあさんがくれたジャムがしまってある。
今年はもうジャムはもらえない。




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