ネット婚活をはじめたR先輩の話㉞【39歳・男性】

R先輩の婚活話



こんにちは、えーです。
分かり辛すぎる、R先輩からの別れ話に戸惑うG子さん。
そりゃそうだ…。【髭を剃るということは、あなたへの想いを断ち切るということなんです、キリッ】というのはR先輩の考えで、G子さんにとっては【ただ髭を剃った人】でしかない。

G子さん:えーと、えー…。ちょっと整理させてね。Rさんは私に好かれたくて髭を生やしたけど、やはり無理をしていると感じ髭を剃った。これは、お付き合いは出来かねるという意思表示の表れである…。…ってことですか?

R先輩:すみません、その通りです!

抽象的すぎるでしょ…。詩人か…。

R先輩:本当に申しわけない…。G子さんの大切な時間を奪ってしまって、本当にごめんね。すみません…。

G子さん:うん…。いや、何て顔してんの。別にまだ「付き合う?」位だったし、全然平気ですよ。楽しかったし。

R先輩:でも…。

G子さん:あは、口!すぼみすぎ!こんな顔になってるよ。

G子さんはぎゅっと口をすぼめる仕草をして、その場を和ませてくれた。

G子さん:そうかそうか!そしたら、今日はお開きにしますか。話してくれてありがとうね。ちょっと…お手洗いに行ってくるね。

G子さんは、そう言って席を立った。
テーブルの上にG子さんのスマホが置きっ放しになっている。

この間まで、カーネルサンダースだった待ち受け画面が、2人で撮った写真になっていた。G子さんがくれた梨をR先輩が掲げている。

なんでその写真撮ろうと思ったの?
てゆうか誰が撮ったの?

R先輩は、胸がぎゅっと苦しくなった。

しばらくして、G子さんが戻ってきた。

G子さん:お待たせ!ごめんね。出よっか。

R先輩:うん…。

G子さん:あ、これ…。約束してた、あげるねって言ってた本。もう要らないかもしれないけど、すっごくいいから…まあ、餞別に!なんて。ハイ!

G子さんが好きで何度も読んでいると言っていた本だった。
ポストイットがびっしり貼ってある。

じゃあね。

そう言って、G子さんは駅の方へ歩き出した。

R先輩は、申しわけなさと情けなさでしばらくそこから動くことができなかったそうだ。

しばらく呆然と立ち尽くしていた。目頭が熱くなってちょっと泣いてしまった。
あまりにも立ち尽くしていたせいか、泣いていたせいなのか…。人生で初めて職務質問にあったそうだ…。

ど、どんだけー…!

どんだけ泣いてたんだ…。
どんだけ立ち尽くしていたんだよ…。

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